天然石・勾玉
勾玉 「まがたま」 | |
◆勾玉の「勾」(まがる)という字は、「匂」(におう)という字に似ていて、「匂」には鼻で匂い・香りをかぐという意味のほかに、濃密な「気」を感じると いう意味があります。たとえば美しさが匂いたつほどの麗人といえば、いい匂いがする人という意味ではなく、綾なすオーラがまばゆく輝いている美人という意 味。「咲く花の匂うがごとくいま盛りなり」は、花の匂いが都に立ちこめているのではなく、百花繚乱した花たちのようにまばゆいばかりの生気にあふれた都と いう意味。
◆勾玉を「曲玉」ではなく、「勾玉」と書いた古(いにしえ)の人たちは、勾玉から湧きたつパワーを感じたり眺めることができて、「匂」に姿の似た「勾」を 選んだのだと思ったりしています。勾玉は古代の人たちにとっては、実際にパワーを感じ取れる守護石・物実(ものざね)だったことでしょう。 |
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勾玉 「まがたま」 | |
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◆勾玉は「胎児の形」に似ています。胎児に魂が宿って赤子となるように、勾玉に祖霊が宿って持ち主を守護してくれる。災いを未然に防ぎ、幸運をもたらして くれると古代の人たちは考えていたようです。『古事記』でアマテラス大神が弟神スサノウの訪問を侵略と勘違いして対峙する場面では、髪飾りやネックレス、 ブレスレットに数えきれないほどの勾玉をつけて霊的武装する話はとても有名。 |